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古稀の英国紳士(tilley pl53)

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煌々とした光より
ものの境目が滲むような灯が好きだから
基本、別所ランプ(winged wheel 1000)だけでいいじゃん。と思ってる。、
明るい燈火は扱わない。

そんな気持ちがありながらも、
光量のリクエストがあるときには自宅使用のAlladin Traditional Brass Lampをキャンプに持ちだす。
プレッシャーランタンは面倒だという頭がはなからあるので
一生所有しない腹積りでいる。

しかし、ここへ来てこれである。
ジャンクにトドメを刺す勢いでいじり倒してたtilley pl53が点いてしまった。
点いてしまったのを無かったことにもできないし、
相手は、人間ならば古稀に近い英国紳士である。
こういう付喪神へと変化しそうな道具へは
尊敬の念をもたなきゃダメだ。

道具と人にも縁がある。
だから、縁を無理に絶つこともなかろう。
そんなふうにも思う。
んなわけで、欠落してた火屋まで頼んでしまった。

Branford Marsalisのソプラノサックスに乗っかって
"I don't drink coffee I take tea my dear
I like my toast done on one side"
なんてトーンの低く聞こえる高い声でしれっと歌い出しそうな、
Englishman In TOKYO。
つぎはぎだらけのtilley pl53である。

ジャンクで火屋無し。
持ち主曰く、バイト先のガラクタ置き場から拾ってきたオブジェ、だそうである。
結婚前の断捨離先が僕だったらしい。

オブジェと化す前はきっといろいろ使われてきたのだろう。
刷毛跡が幾重もあり、深海の地図みたいになっていた。
古ぼけたゴールドというよりも、もはや残念な黄土色。
ペイントの剥がれ跡からは前の塗装らしき赤い色も覗いている。
この地層は元オーナーたちのそれぞれ好みだった色から出来ているにちがいない。

針金製の火屋カバー兼火屋押さえは斜めにひしゃげ、
ホーロー製のヘッドもところどころ剥がれて下地から強烈に錆を生やしてる。
ボルト部も70年の間に行われたであろうメンテナンスの歴史が傷として刻まれている。
見えない部分もきっと相当へたってそうである。

当方、大手術はできません。
できうるかぎり善処いたしますが、
万が一ということもございますことをご了解ください。
って気分でちょいちょい手をつけ始めた。


症状)
 圧がかからない。
処置>>
 自作ポンプカップで対応。
 ついでに、給油口のパッキンが割れていたからコルクで自作

症状)
 圧が溜まらない。
処置>>
 各ジョイント部の増し締め&新たなパッキンなどで漏れを防止。
 逆止弁(NRV)も分解してニトリルゴム(NBR)でパッキン作成。

症状)
 螺子・ボルトの固着
処置>>
 CRC556を噴きかけて放置&トンカチで軽い打撃。
 中性洗剤洗いの後、クエン酸風呂+重曹風呂の後、再度中性洗剤洗い。
 などを適宜パーツを潰さない程度の力で外れるまで繰り返し。


ここまでやって、全体を組んでチェック。
不具合発覚。

症状)
 圧が抜けない。
処置)
 ニップルの目詰まりをギターの1弦で貫通させる。
 ついでに、ヴァポライザーをクエン酸入浴&ベース弦で内の煤固着を落とす。重曹風呂の後、中性洗剤洗い。


組んで再チェック。
ポンピングしてバルブを開けるとヘッドのほうで小さな排気音を確認。
ニードルも機能してるっぽい。
と、まぁ、ここまではOKです。
念のため、バーナーヘッドの各パーツジョイント部にシールテープを巻いて圧漏れに備える。

バーナーもランタン
流体がつつがなく出口から出るようにすればいいので
管の通りを良くしてあげて、中途で漏れがなければいい。

お試し量の灯油を注ぎ、テキトーなマントルをくくりつけ、アルコールでプレヒート。
僕自身、プレッシャーランタンを20数年ぶりに扱うので、ちょっと時めく。
念のため、2回ほどプレヒート。

ドラマチックな炎上も起きず、敢え無くサクッと点灯。
圧漏れチェックを兼ねて、そのまま放置。
照度も落ちず、消えもせずにいたので、とりま治った認定を下し、
細かなところの手入れを始める。

症状)
 火屋ガードのひしゃげ
処置>>
 針金を折らない程度に力を加えながら見栄えを戻す。

症状)
 タンクの塗装ムラ&剥がれ
処置>>
 塗装はがし液(ホルツ社製)で今までの塗装を全てはがす。
 いい具合の缶だったので、塗装せずそのままにする。

というわけで、70歳現役の英国紳士光臨となった。


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